後継者育成
2018/05/31

後継者不足を解消!中小企業の担い手はこのように見つける

(画像=PIXTA)
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中小企業経営者の高齢化が進む中、スムーズに経営をバトンタッチすることが重要な課題となっています。その一方で、次世代を担う後継者の不足も問題として認識されています。今回はこうした後継者不足を解消する方法にはどのようなものがあるのかを紹介します。

後継者不足の解消には2つの方法がある

2016年2月に日本政策金融公庫総合研究所が公表した「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」によると、5割の中小企業経営者が自分の代で事業を廃止する予定であると回答しています。廃業する経営者のうち、3割が後継者が見つからなかったことを理由として挙げています。

こうした後継者不足を解消する方法は大きく分けると2つの方法しかありません。それは「後継者を外部から迎えるか」、「自社で育成するか」という2つの方法です。後継者を外部から迎える方法としては第三者によるM&Aなどが想定されます。後継者を自社で育成する方法では経営者の子息など親族を後継者とする場合と、自社の役員や従業員に会社を引き継ぐ場合が考えられます。

親族外承継は増加傾向にある

事業承継と言えば、会社を長男に継がせることであるという考え方が根強く残っている一方で、親族外承継や第三者へのM&Aも増加傾向にあります。そうした傾向にある背景には、親族の職業選択の自由をより尊重しようという風潮があるほか、単に事業を引き継ぐだけでは経営環境に対応できなくなっている日本の市場環境も影響しております。10年、20年先を考えた時に、今の会社が同じ規模、収益を維持できているかを検討し、相続税を払いつつ会社を相続するのではなく、現金化してを資産として親族承継したいと考えるオーナーが増えてきております。

●親族外承継のポイントは?

役員や従業員といった親族外への承継は会社のビジネスに精通した優秀な人材を起用できるメリットがある一方で、役員や従業員の側が自社株を買い取る資金を準備できないことも想定されます。

このような資金面への対応としては金融機関の融資などを活用することが考えられます。たとえば、事業承継計画が経営承継円滑化法に基づく認定を受けている場合には政策金融公庫や信用保証協会の金融支援を受けられる可能性もあります。

●第三者へのM&Aのポイントは?

第三者へのM&Aは、会社経営に長けた者に事業を引き継ぐことができるメリットがある一方で、事業を安心して任せることができ、満足できる取引条件で承継できる最適な相手先を見つけることが難しいという面もあります。

このような難点を克服するには、まずM&Aの相談ができるパートナーを見つけることが一つの方法として考えられます。たとえば、各都道府県に置かれた「事業引継ぎ支援センター」などの活用が考えられます。同センターでは無料でM&Aの「よろず相談」が受けられるほか、M&Aに適した専門業者の情報提供が受けられる可能性もあります。

後継者育成には時間がかかる

いざ後継者を決めたとしても、後継者を育成するには時間がかかります。自社のことをよく知るだけではなく、経営者として一人前にしなければいけません。

●社内での育成方法とは?

後継者を育成する方法には、社内で育成する方法と社外で教育する方法があります。社内で育成する際にはさまざまな部門をローテーションで経験させたり、早い段階で役員や上級管理者、子会社や関係会社の社長を経験させたりする方法が有効です。また、自社グループだけでなく、他企業で経験を積ませ、経営に関する新たな視点や発想を得て自社に戻らせることも考えられます。

●社外での教育にはセミナーの活用も

社外で教育する方法としては外部セミナーの活用が考えられます。たとえば、中小企業大学校(中小企業基盤整備機構)で毎年実施されている10ヵ月間の経営後継者研修があります。この研修では経営後継者の育成を目的に、基本的な能力と知識を習得するための全日制のカリキュラムが組まれています。経営戦略、財務、マーケティングなど経営スキルの知識だけでなく、自社分析やゼミナールで実践的な能力を高めることにも力点が置かれています。

情報収集は入念に

後継者対策は今回ご紹介した方法が全てというわけではありません。M&Aに関しては民間のM&A仲介会社に事業の引き継ぎを任せる方法も考えられます。また、社外での教育に関しては市町村の商工会議所や商工会で開催されている経営革新塾などのセミナーを活用することも有用です。日頃から情報収集をして後継者対策に役立てましょう。

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