不動産・税
2018/09/08

事業承継の「相続税」対策は綿密な承継計画で乗り切る

(画像=PIXTA)
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事業承継対策には「ヒト」「モノ」「カネ」などさまざまな検討要素が含まれていますが、その中でも「カネ」、とりわけ相続税対策は特に重要なものの一つに数えられます。中長期的な計画を立てていなかったばかりに、思わぬ重い負担が発生することにもつながります。

事業承継税制の特例を利用して納税猶予

事業承継を行う際、その会社が非上場会社だった場合、贈与税と相続税については一定要件を満たすことで、納税の猶予や納税の免除が行われる制度があります。これを「事業承継税制」と呼びます。

この事業承継税制は平成30年度税制改正によって10年間の特例措置が創設され、納税猶予の対象株式割合の上限も無くなり、納税猶予割合も100%に引き上げられました。国側にはこの改正で事業承継の円滑化を飛躍的に進展させていく狙いがあると思われます

この制度を利用するためには事業承継税制や特例措置の要件を理解した上で、適切に策定した事業承継計画のもと、申請手続きなどを進めていくことが重要です。

この特例措置を適用させるためには、「特定承継計画」を策定して都道府県に提出することや、贈与税・相続税の「申告書」など税務署に提出する必要があります。また納税猶予中は「継続届出書」を税務署に提出し、後継者が亡くなったときには「免除届出書」などを提出して納税免除の手続きを進めなければなりません。

このようにさまざまな書類を節目節目で提出する必要があるので、事業承継計画にこれらの手続きのタイムラインも書き込んでおかなければ、制度を上手に活用することは難しくなります。事業承継の第一歩となる計画書の策定のために、早めに税理士に相談したり、民間の支援サービスを利用したりすることも有益です。

事業承継税制の一般措置と特例措置の違い

事業承継税制の一般措置と特別措置ではさまざまな違いがあります。一般措置では対象株数は総株数の3分の2までですが、特例措置では全株式が対象になります。納税猶予割合は贈与税の場合は100%のまま変わりませんが、特例措置では相続税は80%から100%に拡大されます。

また承継パターンでも優遇があり、一般措置では複数の株主から1人の後継者への承継が対象となりますが、特例措置では複数の株主から最大3人の後継者(代表取締役であることなどの要件あり)への承継も措置の対象となります。

早期の計画策定で十分な相続税対策を

事業承継計画の策定は早期に行うべきです。事業承対策のスタートが遅くなればなるほど、実行不可能となる対策も増えてきますので注意が必要です。
 

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